理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 386
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骨・関節系理学療法
平行棒支持免荷歩行の有用性について
*久保田 章仁植松 光俊西田 宗幹窓場 勝之高柳 清美細田 昌孝井上 和久磯崎 弘司田口 孝行西原 賢丸岡 弘原 和彦藤縄 理細田 多穂
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抄録
【目的】最近、股関節全置換術では、人工関節の形状の工夫や新しい術式の開発により術直後から患脚を全荷重させており、免荷が不要になる場合がある。しかし、高齢かつ筋力低下が著しいため歩行時に体重支持を安全にできない症例等によっては、依然部分免荷歩行訓練が必要であることをふまえ、今回、部分免荷歩行訓練に着目した。さらに、部分免荷歩行の精度を上げることに焦点を絞り、歩隔に着目した。平行棒支持免荷歩行の有用性、特に松葉杖免荷歩行中と平行棒支持免荷歩行中の患肢免荷量の関係について、それぞれ歩隔を変えて垂直分力を用いて明らかにすることを目的とした。
【方法】対象は、健常成人女性10名で年齢は平均24.7歳(22-27歳)である。左脚を患肢と見立てて、中央に大型床反力計(180cm×40cm)を設置した10m歩行路を2点1点揃え型最大努力下免荷歩行で松葉杖および平行棒を各2回ずつ歩かせ、左脚の垂直分力、すなわち荷重量(%Body Weight:%BW)を得た。この荷重量から体重比免荷量(100-%BW:以下免荷量)を算出した。なお、平行棒の把持部の高さは、右手で橈骨茎状突起の高さとした。歩隔は成人女性の平均身長から算出した基準値すなわち13.2+0.041×年齢を元に、基準値歩隔、基準値+10%歩隔(基準値+16cm)、基準値+20%歩隔(基準値+32cm)の3パターンを設定した。統計的手法は、SPSS10.0forWINDOWSにて1元配置分散分析ならびにstudentのt-検定を用い、有意水準を5%以下とした。なお、対象者には本研究に際し、あらかじめ説明と同意を得た。
【結果】松葉杖免荷歩行中の基準値歩隔、基準値+10%歩隔、基準値+20%歩隔の免荷量は、それぞれ38.5±11.3%BW、38.3±8.0%BW、35.1±12.5%BWで有意差を認めなかった。松葉杖免荷歩行において歩隔を広げるにつれ免荷量が増大した方は10名中2名であった。一方、平行棒支持免荷歩行中の基準値歩隔、基準値+10%歩隔、基準値+20%歩隔の免荷量もそれぞれ32.2±22.6%BW、30.3±22.9%BW、32.3±23.4%BWで有意差を認めなかった。平行棒支持免荷歩行において歩隔を広げるにつれ免荷量が増大した方は10名中5名であった。各歩隔における松葉杖免荷歩行と平行棒支持免荷歩行の免荷量においても有意差を認めなかった。
【考察】健常成人女性の最大努力下免荷歩行において、歩隔の如何に問わず、松葉杖免荷歩行中の免荷量と平行棒支持免荷歩行中の免荷量との間に有意差を認めず、免荷量はともに体重の約1/3であった。このことから、比較的若い女性を対象にした早期松葉杖免荷歩行練習は、体重の約1/3の免荷量であれば、より安全な平行棒支持免荷歩行練習に代替できることが示唆された。
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© 2005 日本理学療法士協会
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