理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 389
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骨・関節系理学療法
成長期スポーツ選手の体幹屈曲伸展運動
*下川 円川崎 秀和鵜飼 啓史内藤 浩一
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キーワード: 体幹運動, 柔軟性, 成長期
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抄録
【はじめに】
成長期のスポーツ障害として、腰痛の発生頻度は高い。特に成長期には骨の長軸方向への成長と軟部組織の伸張性に不適合が生じるという報告があり、それによって股関節の運動制限が生じている可能性が考えられ、腰椎の過剰運動を引き起こし、腰痛発生の一因と考えられる。臨床でも、若年者の前屈時に過剰な脊椎での動きを観察することがある。今回我々は、成長期スポーツ選手の体幹前屈・伸展運動での胸腰椎、股関節、骨盤の動きの解析と、下肢の柔軟性との関係について検討した。

【方法】
対象は成長期スポーツ選手男性20名(平均年齢13.2±1.3歳、平均身長161.0±3.4cm、平均体重51.0±4.6kg)とした。なお、測定時腰痛を有するものはいなかった。被験者に安静自然立位から体幹屈曲および伸展運動を行わせた。C7、T7、T12、L3、L5、S2それぞれの棘突起、上前腸骨棘、大転子、大腿骨外側上顆、腓骨外果、第5中足骨頭にマーカーを貼付し、側面からデジタルビデオカメラで撮影した。画像解析はアニマ社製MA-1000で2次元解析を行った。サンプリング周波数は60Hz とした。C7-大転子-大腿骨外側上顆のなす角を体幹角、それぞれのマーカーから胸椎角、胸腰椎角、腰椎角、腰椎骨盤角、股関節屈曲角、足関節角を規定した。体幹角の変化を屈曲:前期0~30°、中期30~60°、後期60~90°、伸展:前期0~10°、中期10~20°、後期20~30°に分け、それぞれの角度変化量、最大体幹屈曲時の角度変化量、骨盤の前後方向への移動量を求めた。また、下肢の柔軟性テストとして、指床間距離(FFD)、殿踵間距離(HBD)、腸腰筋、ハムストリングス、下腿三頭筋の伸張性を測定し、それぞれの角度変化との相関を求めた。統計処理には、一元配置分散分析と多重比較、Pearsonの相関係数を用い、危険率5%未満を有意水準とした。

【結果】
体幹屈曲では、胸腰椎角で後期に比べ前期の角度変化が有意に増加していた(前期10.34±4.4°、中期7.57±2.8°、後期4.65±2.6°)。その他の角度はいずれも前、中、後期で有意な変化はみられなかった。体幹伸展時にも有意な変化はみられなかった。ハムストリングスの柔軟性、トーマステストと股関節屈曲角度の間で相関がみられ(P<0.05、r=-0.86)、柔軟性の低下しているものは、股関節の屈曲が制限されていた。屈曲・伸展時の骨盤の移動量と柔軟性の間には相関は見られなかった。

【考察】
成長期に見られる特徴的な下肢筋の伸張性の低下が胸腰椎部での過剰な動きを生じる一要因になっていると考えられた。成長期のスポーツ障害予防の一つには、柔軟性の獲得が必要となるが、それだけではなく、スポーツ動作における力学的ストレスの解明も要する。
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© 2005 日本理学療法士協会
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