抄録
【はじめに・目的】
筆者は日頃から高校ハンドボール部においてトレーナー活動を、また平成16年4月より静岡県ハンドボール協会(以下、県ハンド協会)にトレーナーとして所属し各公式大会に帯同している。これまで県ハンド協会には医科学的サポート部門はなく、現在トレーナー活動を通じスポーツ傷害予防・対策の充実に努めている。県ハンド協会におけるトレーナー活動は年間を通じ高校生の公式試合数が多い。そこで今回は高校ハンドボール部指導者(以下、指導者等)を対象に、トレーナー活動への意見や要望等を明確にし、今後の県ハンド協会におけるトレーナー業務の在り方・進め方を把握する目的にてアンケート調査を実施した。
【方法】
対象は県内でハンドボール部のある公・私立高校33校全ての指導者等全員とした。独自に作成したアンケート内容『各公式戦におけるトレーナー活動について』等を無記名選択式(一部記述)質問票とし郵送した。調査期間は平成16年9月27日~10月30日迄とした。
【結果】
回答は30校(90.9%)、指導者等48名(顧問39名、副顧問7名、外部コーチ2名)からあった。教科別では保健体育科18名(37.5%)であった。Q1.日頃の部活動指導でスポーツ傷害の発生に注意し指導されていますか?との問いに『注意している』24名(50%)、『どちらともいえない』22名(45.8%)、『注意していない』2名(4.2%)であった。Q2.ハンドボールにおけるスポーツ傷害予防・対策等の講習等について『聞いてみたい』41名(85.4%)、『どちらともいえない』7名(14.6%)であった。Q3.各公式戦におけるトレーナー活動については『必要である』43名(89.6%)、『どちらともいえない』4名(8.3%)、『無回答』1名、『必要でない』という意見はなかった。また『必要である』理由では『指導者等は忙しく、専門家によって適切な応急・傷害予防対応と選手の競技復帰が期待でき安心である』という内容が多数を占めた。また『どちらともいえない』理由には「活動を知らない」という意見があり検討が必要である。Q4.トレーナー活動への要望(複数回答)としては『競技中に発生した故障への対応』41件、『選手の故障対策や相談』37件、『日頃から故障を有する選手への対応』31件などの順で多かった。
【問題点と今後の課題】
アンケート結果より部活動現場においてはスポーツ傷害予防や対策が十分とは言いがたい結果となったが、これらについて議論の場を求める意見も多数あり、県ハンド協会レベルとして指導者等に対しスポーツ傷害予防・対策等を伝達するシステム構築の必要性を感じる。またトレーナー活動への要望として『競技中に発生した故障への対応』が多かったが理学療法士としては対応が困難な場合も想定され、医師との連携も含めた医科学的サポート体制の整備が望まれる。