理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 946
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骨・関節系理学療法
footprintを用いたWindlass actionの評価について
*藤澤 周平高木 祥平泉 智香成田 大一尾田 敦
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抄録
【はじめに】Windlass actionとは,足趾背屈に伴う足底腱膜や足趾屈筋群の付着部の巻き上げにより,内側縦アーチが引き上げられ高く強固となるメカニズムである。これにより,結果的に足底接地面積が減少し荷重位において活動への準備状態をつくる。この機構が不十分な場合,有効に機能させるために,2mm程度の前足部パッドが用いられている。しかし,足底腱膜の緊張の程度は徒手的評価(Windlass test)にて行われ,検者の経験に依存し,定量化されていない。そこで今回,足趾背屈に伴うアーチ高率とfootprintの変化を評価する方法を考案し,Windlass testとの関連性を検討するとともに,前足部パッドの有効性を検討した。
【対象と方法】弘前大学医学部保健学科に在籍する学生51名(男26名,女25名,年齢23.3±4.2歳,身長164.9±7.4cm,体重57.7±9.7kg)の両足102足を対象とした。アニマ社製接地足底投影器Pedoscope上で,(1)自然立位(0mm),(2)足趾部分に5mm厚の長方形型パッドを挿入した足趾他動背屈での立位(以下,5mm),同様に,(3)10mm,(4)15mm,(5)20mm,そして(6)自動足趾背屈での立位(自動背屈),の各条件で得られたfootprintを採取し,足趾部分を除く接地面積を計測した。また,各条件での舟状骨高を測定し,アーチ高率を求めた。さらに,経験のあるPT1名が検者となって,footprint評価の結果をブラインドしたWindlass testにより「強・中・弱」の3段階に分類した。統計処理にはTukey検定を用いた。
【結果】アーチ高率は自然立位時を100%としたとき全体でみると,自然立位に比べて5, 10, 15, 20mm,自動背屈でそれぞれ1.8%, 4.0%, 6.0%, 8.8%, 11.7%増加し,すべて有意であった。PT評価別では「強・中」群は5mm以上,「弱」群は10mm以上で有意な増加であった。接地面積は自然立位時を100%としたとき全体でみると,自然立位に比べて5, 10, 15, 20mm,自動背屈でそれぞれ4.0%, 4.4%, 9.3%, 16.8%, 26.6%減少し,すべて有意であった。PT評価別では「強」群は10mm以上,「中」群は5mm以上,「弱」群は20mm以上で有意な減少であった。各条件でのPT評価の群間でアーチ高率・接地面積はいずれも有意差はなかった。
【考察】以上の結果より,足趾背屈による有意なアーチ高率の増加と接地面積の減少が確認できた。PT評価では「強」,「中」,「弱」群の順に変化量が大きい傾向があったが,有意な差ではなかった。Windlass actionの作用による活動への準備状態としての効果を接地面積の減少でみると,PT評価で「強・中」では5~10mm,「弱」では15~20mm程度が妥当と考えられる。しかし,実際は使用する靴のトゥスプリングが十分であれば,2~5mm程度でも十分効果があると考えられる。アーチ高率および接地面積ともに最も大きな変化は自動背屈時であったが,これは,足底腱膜の巻き上げ機構に加え,足趾背屈時の前脛骨筋の収縮に伴う骨性アーチ自体の引き上げ効果が付加されるためと考えられた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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