理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 569
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内部障害系理学療法
Kartagener症候群を呈しHOT導入をした一症例
*上原 数之, 小海 菊江, 仲山 美奈子, 小林 尚子, 大島 希味子, 阿方 裕, 鈴木 和夫, 瀬崎 学, 吉嶺 文俊
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抄録
【はじめに】Kartagener症候群は内臓左右逆位、気管支拡張症、慢性副鼻腔炎を3徴候とする先天性疾患である.また、本症候群は線毛不動症候群とも呼ばれ、精子の鞭毛活動や気道線毛上皮の線毛活動においても、運動不全が生じる。今回我々は線毛運動不全により、気道感染を繰り返し、気管支拡張症を呈したことから、在宅酸素療法(HOT)を導入した患者の呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)を経験した。47歳よりHOTを導入して約8年を経た現在までの経過を報告する。
【症例】55歳男性。診断名は気管支拡張症。自営業。HOT導入はH8年12月。既往歴は、S57年蓄膿症手術。H5年気管支拡張症の治療を開始.H6年甲状腺機能低下症。血液ガス:pH 7.421 PaCO2 42.9torr PO2 64.8torr。薬は吸入薬や鎮咳去痰剤・抗生剤を内服している。一日における痰の量は、250mlから300mlである。H12年に実施したHADs尺度では不安抑うつ傾向は認めなかったが近年はその傾向も疑われている。
【経過】H8年12月呼吸苦増悪し、K医院より当院内科受診後入院。その後H15年9月まで、急性増悪で7回入院している。理学療法(PT)はH9年1月より、作業療法(OT)はADL指導を目的に同年12月より開始した。6分間歩行距離(6MD)はH9年390m、H10年470m、H14年300m、H16年255mと低下傾向にある。スパイロメトリはH9年%VC62.9%・FEV1%63.26%、H15年%VC50.3%・FEV1% 62.73%。酸素流量は、0.75Lより開始。H15年 2.0Lと漸増している。外来での理学療法は、週一回を基本とし、運動耐容能向上を目的とする歩行や体位排痰法、口すぼめ・腹式呼吸の練習を実施した。痰は全肺野から聴診され、来院時は呼気介助によって排痰を促した。また症例自ら,日常的に体位ドレナージを行い、咳嗽により排出している。在宅では、パルスオキシメトリーを所持し動作スピードや息切れ感の指標に利用したり、屋外散歩やトレッドミルを取り入れ低負荷ながらも積極的な運動を実践していた。また我々は、症例を含めた各職種間で情報の共有を図るために呼吸器日誌の記載を勧め、日々の運動量や体調の変化を知るように努めた。
【考察】本症例はKartagener症候群による気管支拡張症により、47歳と比較的若い年齢でHOTを導入した症例である。導入以来、継続的に、身体機能の低下予防や排痰法の指導と実践、また感染予防のための看護指導など、社会での経済活動を支えるために、関連職種が連携を図りながら呼吸リハを実施してきた。その結果、症例のモチベーションの高揚もあり、社会参加が可能な身体機能面の維持は図られたと考える。しかし6年を経過した頃から息切れ感による歩行機能の低下が認められていることから、理学療法面においては、運動強度のあり方や酸素流量・設備などについて検討していかなければならないと考えている。今後も長期間にわたり身体機能面のみならず、精神面や栄養面での積極的な援助も必要と感じる。
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© 2005 日本理学療法士協会
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