理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 743
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内部障害系理学療法
重症COPD患者における低負荷運動療法の効果
*原 由美, 緒方 賢一, 綾部 仁士, 島添 裕史, 宮崎 直樹, 入江 将考, 濱田 和美, 宮崎 浩行
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抄録
【目的】慢性閉塞性肺疾患(以下、COPD)に対する運動療法は年齢や重症度に影響を受けず有用とされているが、重症COPD患者に対する至適運動強度に関するコンセンサスは得られていない。COPDの重症度は、GOLDによる分類が国際的な標準として使用されている。欧米患者はGOLDの分類にて重症度が高くても、呼吸困難感をMRCで評価すると、Grade2・3レベルと比較的に日常生活は保たれていることから、高負荷運動療法が可能である。しかし、本邦患者では、MRC Grade4を超える重症例が多く、高負荷運動療法の実施は困難である。
日々の臨床で難渋する、低肺機能かつ高度な呼吸困難感を主訴とする重症COPD患者に対する運動療法データの蓄積が必要とされる。そこで今回、MRC Grade4の重症COPD患者に対し、低負荷によるオリジナルプロトコールを作成し、多施設間での外来呼吸リハビリテーション(以下、リハ)の効果を検討した。
【対象】2004年1~10月に外来を受診した、GOLDの分類にて重度かつMRC Grade4を有する安定期COPD患者8名(男性 6名、女性 2名)、平均年齢 69.7±6.9歳を対象とした。肺機能検査ではVC (%VC) 1981±1077 ml (66±31%)、FEV1.0(%FEV1.0) 790±323 ml (36±17%)、6MWTでは 240±91mであった。
【方法】インターバル形式で低負荷の持久力トレーニングに加え、下肢筋力トレーニングプログラムを作成し、週に2回、3ヶ月間施行した。1・ 12週目にて6MWT、6MWT後のBorg scale、自由歩行距離、下肢筋力、起立回数、握力、肺機能検査、SF-36における運動療法前後の評価を行った。統計学的処理は、各項目にて運動療法前後の値を対応のあるt検定を用い、Borg scaleにおいては、ウィルコクソン符号付順位和検定を用いた。危険率5%未満を有意とした。
【結果】6MWT 240±91m→303±75 m(P<0.01)、自由歩行253±160m→539±428m(P=0.45)、下肢筋力 3.5±1.1N/kg→4.4±1.4 N/kg (P<0.01)にて有意な改善が認められたが、その他の項目においては有意な差は認められなかった。
【考察】重症COPD患者に対し、低負荷運動療法を週に2回3ヶ月間施行した。運動耐容能や下肢筋力の改善が得られ、廃用性筋萎縮を伴いやすい重症COPD患者の運動療法として有用であった。Ortegaらによると筋力トレーニングと持久力トレーニングの併用は持続的効果が高いと報告され、推奨している。今回の結果より、低負荷運動療法は重症COPD患者のリハとして期待されることが示唆された。しかし呼吸困難感については、今後の評価方法や運動療法内容の再検討が必要である。
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© 2005 日本理学療法士協会
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