理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 616
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物理療法
超音波遠距離音場における骨のみと肉のみの周波数別温度上昇特性
*木山 喬博大野 善隆太田 厚美
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抄録
【目的】
超音波(US)遠距離音場における骨のみと肉のみのUS周波数別温度上昇特性を確認すること。
【方法】
US導子を上向きに固定し、透明アクリル筒を差込み、15cm高さ(遠距離音場)まで寒天を注入固化し、寒天上面にゲルを塗り、温度プローブ(TP)を設置し、その上に骨片25x25x5(mm)を置き、骨上面にTPを設置し、その上に20mm厚の肉を重ねて、骨表裏の温度変化を記録した。肉(鶏)のみの場合は、骨の変わりにTP、10mm肉、TP、10mm肉、TP、肉20mm、TP、肉20mm、TP、肉20mm、TP、肉20mmでの温度変化を記録した。温度記録間隔は0.1秒とした。温度上昇特性の違いは、骨と肉、1と3MHz、および0.5と1.0W/cm2の温度上昇が著明なUS照射初期と肉厚さ0、10、20mmの60秒時の値で比較検討した。以前の実験経験からバラツキは大きくないので、2回測定の平均値を代表値とした。
【結果と考察】
1)骨表面温度上は、0.5W/cm2の1MHzで5.4°C、3MHzで7.4°Cと3MHzの温度上昇は約1.4倍。1.0W/cm2ではそれぞれ、10.5°C、13.4°Cであり、約1.3倍であった。2)肉表面温度は0.5W/cm2の1MHzで1.2°C、3MHzで1.9°Cと約1.6倍、1.0W/cm2ではそれぞれ、2.3°C、3.9°Cとなり約1.3倍であった。3)骨と肉の表面温度の違いを骨/肉の比で示すと1MHzでは4.5~4.6で、3MHzでは3.9~3.4であり、文献に記載されている値3.7に近い値であった。筋肉の吸収率は1.3~3.3とされており、骨は3.7~9.4の間にほぼおさまっていた。4)US照射60秒後の値を100として、骨表面温度の照射20秒値を0.5W/cm2の場合の、1MHzと3MHzとで比較すると41と53、1.0W /cm2の場合は40と55、肉表面温度の0.5W/cm2の1MHzと3MHzの20秒値は58と53、1.0W /cm2の場合は57と54であり、骨と肉の吸収特性の違いは小さくなく、骨では1MHzと3MHzとの差が大きかった。5)骨表裏の温度差/骨表面温度、の比は、1MHzと3MHzとでは大差があり、0.5W/cm2、1MHzでは0.28となり3MHzで は0.76、1.0W/cm2、1MHzでは0.22となり3MHz では0.72であった。周波数が高いとUSの大部分は浅部で吸収されることが確認できた。6)肉の場合も1MHzよりも3MHzの方が浅部での吸収は大きいが、骨ほど著明ではなかった。7)(肉表面―肉10mm)/肉表面、の温度差の比は、0.5W/cm2で1MHzは0.25、3MHzでは0、1.0W/cm2では1MHzも3MHzも0であった。骨の裏表に相当する肉表面と肉厚10mm部の温度差はほとんど無く、骨と肉のUS吸収の違いはこのことからも明瞭であった。
【まとめ】
1.1MHzと3MHzとの吸収特性の違いはUS照射初期に著明。2.骨のUS吸収は肉のそれの約4.5倍。
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© 2005 日本理学療法士協会
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