理学療法学Supplement
Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1069
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理学療法基礎系
骨盤回旋時の骨盤傾斜角度の違いに関して
半歩前進位と半歩後退位における違い
川井 誉清亀山 顕太郎岩永 竜也
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抄録
【はじめに】我々は、第13回千葉県理学療法士学会において、自然立位における骨盤回旋時の骨盤傾斜角度を測定した結果、個人差があり一定の傾向が得られなかったことを報告した。そこで今回、立位時の変化による影響を検討するため半歩前進位と半歩後退位での骨盤回旋方向と骨盤傾斜角度を比較検討した結果、若干の知見を得たので報告する。
【対象】下肢・腰部に愁訴のない健常成人10名20肢とした。平均年齢は27.0±4.3歳であった。
【方法】自然立位より検査側下肢を半歩前方に出した状態を半歩前進位、半歩後退させた状態を半歩後退位と定義した。半歩前進位における上前腸骨棘と上後腸骨棘を結んだ線を骨盤傾斜角度とし、水平角度計を用いて5°単位で計測した。続いて半歩前進位にて両足部を結んだ中点に骨盤回旋軸を合わせ、被験者自身に片側の骨盤を最大限に前方回旋及び後方回旋させるように指示し、その際の骨盤傾斜角度を計測した。また、半歩後退位においても同様に測定した。測定は1被験者に対し、半歩前進位及び半歩後退位において左右共に3回ずつ測定を行い、それぞれ統計学的処理には1元配置分散分析を用い、有意水準1%未満とし比較検討した。
【結果】半歩前進位における骨盤傾斜角度10.0±4.3°であったが前方回旋時の骨盤傾斜角度5.3±4.1°となり、後方回旋時の骨盤傾斜角度14.8±4.4°であった(p<0.01)。また、半歩後退位における骨盤傾斜角度は11.5±4.0°であったが前方回旋時の骨盤傾斜角度16.5±3.7°となり、後方回旋時の骨盤傾斜角度6.8±3.7°であった(p<0.01)。
【考察】半歩前進位では骨盤前方回旋に伴い骨盤後傾し、骨盤後方回旋に伴い骨盤前傾がみられた。股関節屈曲位で骨盤を前方回旋させると股関節伸展・外旋方向へ運動が連鎖するため骨盤は後傾し、後方回旋させると股関節屈曲・内旋方向へ運動が連鎖するため、骨盤は前傾すると考えた。また、半歩後退位では、骨盤前方回旋に伴い骨盤前傾し、骨盤後方回旋に伴い骨盤後傾がみられた。股関節伸展位で骨盤を前方回旋させると股関節は伸展・内旋方向へ運動が連鎖するため骨盤は前傾し、後方回旋させると股関節屈曲・外旋へ運動が連鎖するため骨盤は後傾すると考えた。すなわち、矢状面上における股関節の肢位の違いにより、骨盤傾斜及び回旋は変化することが確認された。先行研究において自然立位の状態では骨盤を前方回旋及び後方回旋させた際の骨盤傾斜角度には個人差が大きく、骨盤傾斜に一定の傾向がみられなかったが、股関節肢位を変えることによって運動方向がより強調され、半歩前進及び後退させることで一定の傾向がみられるためひとつの指標になると考える。今後、股関節疾患などの下肢疾患の患者と比較し、障害群の特徴も検討していきたい。
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© 2008 日本理学療法士協会
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