理学療法学Supplement
Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P3-586
会議情報

物理療法
41℃の温浴中での効果について
飯田 員頒, 丸山 仁司
著者情報
キーワード: 温浴中, 評価, 疼痛
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】当院ではカルシウム硫酸塩泉の温泉浴中で運動療法を施行している.浴槽での訓練を行っていると入水中では痛みも感じずに運動がスムーズに行えるが、また外に出ると痛みが出現するという患者さんの意見を多く聞く.先行文献では、入浴前後での疾病に対する効果や臓器に対する効果は、多くある.温泉浴中の身体の変化に対しては、前田が、局所および全身温熱療法における知覚神経線維の閾値の変化や全身浴におけるH波の変化などの先行文献がある.しかしながら、温浴中の身体能力を評価した研究はない.そのため温浴中で運動療法を進めるにあたり、入浴中の身体活動の変化を知り、今後の訓練方法を検討してよりよい訓練効果につなげるために今回本研究を行った.

【方法】対象は、健常男性23名で年齢は、24.82±4.75歳とした.なお対象者は、本研究の主旨を十分に説明した上で、同意を得られたものとした.手順は、被験者には、訓練室にて入浴前の測定を行った.その後水深67cmの41度の浴槽へ入浴した.入浴して5分間は、肩の高さまで入水し、測定時は入水した状態で行った.そして15分間入浴した.入浴後は訓練室にて5分の安静を取り測定を開始した.測定項目は、入浴前と入浴中と入浴後での3回測定を行った.#1長座位体前屈測定は、大腿および下腿をそれぞれが、固定して測定した.温浴中では、上前腸骨棘が入水している状態で測定を行った.#2水深104cmの浴槽で八の字歩行の課題を行い、音刺激を使用してのプローブ反応時間測定を行った.測定装置としては、マイク付のイヤホンを被験者につけた.片側の耳からのMP3に録音されたよーいの合図の後にピッと聞こえてから直ぐにマイクにパッと発声する.それをデジタルボイスレコーダーへ録音した.その録音したデータをパソコンのソフトにて時間を測定した.#3PAINMATCHERによる疼痛閾値の測定は、低周波刺激を発生させる導子を親指と示指で挟み込み、その周波数が痛いと感じたところで手を離す.その数値を記録した.

【結果】長座位体前屈の測定値.そして、プローブ反応時間測定値.また、PAINMATCHERによる疼痛閾値の測定値において、入浴前・中・後を一元配置分析した.その結果P<0.05であり、相関があることがわかった.また入浴前に比べ入浴後よりも入浴中での変化がそれぞれで大きかった.

【考察およびまとめ】長座位体前屈では、入浴中の変化が最も大きくなったことは、温熱エネルギーが深部まで到達しており、組織の柔軟性につながり、疼痛閾値も上がったためと考える.痛みが強く活動性が低下されている患者さんにとっては、温浴中の運動は痛みを感じにくくした中で、自動運動の範囲も広がり、運動を遂行のための俊敏性も向上するため温浴中の運動は、利用価値が高いと考える.
著者関連情報
© 2009 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top