理学療法学Supplement
Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P2-091
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一般演題(ポスター)
めまい外来リハビリテーションとその治療効果
五島 史行伊藤 泰明黒澤 和生
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抄録
【目的】
遷延化しためまい症例に対して薬物治療が行われるが十分な改善が認められない症例が少なくない。非薬物治療として海外では平衡障害リハビリテーションが行われている。今回、めまい平衡障害に対するリハビリテーションを指導する目的で外来でのめまいリハビリテーション講習会を行い、その有用性について検討することを目的とした。
【方法】
対象は慢性めまい患者18例(男性4例、女性14例)平均年齢63.5才。対象疾患の内訳は前庭神経炎後の代償不全などである。発症からリハビリ導入までの期間は6から70ヶ月(平均22.1±21.1ヶ月)であった。めまいリハビリ講習会を行い、自宅で行うリハビリテーション法を指導し、一日4回自宅で継続させた。めまいの評価は障害度をDHI(dizziness handicap inventory)日本語版、めまいの状態を重心動揺計の外周面積にて初診時、リハビリテーション開始前、開始後2ヶ月後、4ヶ月後に評価を行った。
【説明と同意】
研究の参加について十分な説明と同意を文書にて得た。
【結果】
初診時のDHIは47.2±25.5点であった。外来リハビリを指導し継続したところ4ヶ月後には19.3±11.7と改善を認めた。重心動揺計の外周面積は明らかな改善は認められなかった。
【考察】
重心動揺計の外周面積は介入前にすでに正常範囲に入っていた症例が多く、治療によってそれ以上の改善を示すのが難しかった可能性がある。めまいの障害度であるDHI値がどのような機能の改善によって得られたのか今後の検討が必要である。
【理学療法学研究としての意義】
理学療法士が耳鼻咽喉科医と協力することで新しい耳鼻咽喉科における平衡リハビリテーションの分野を切り開くものとして意味がある。
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© 2010 日本理学療法士協会
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