理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: E-P-24
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ポスター発表
要支援者における生活空間と身体的要因
村上 健一川畑 敏浩東海林 直樹前原 達也柳川 進
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キーワード: 介護予防, 敏捷性, 生活空間
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抄録
【はじめに、目的】 当施設は要支援1、2認定者を対象とした介護予防通所介護専門のデイサービスであり、介護予防を行っている。近年、高齢者の日常生活活動の低下には生活空間の狭小化が関連していることが言われている。そこで、本研究は介護予防の対象となる要支援1、2認定者の生活空間に関わる身体的要因を明らかにすることを目的とした。【方法】 当施設に通所している要支援1、2認定者62名、平均年齢80.8±5.6歳を対象とした。その内訳は男性24名、女性38名、要支援1 39名、要支援2 23名であった。なお、脳卒中や疼痛の強い整形疾患など測定が困難と思われる疾病および障害を有している場合は、測定対象から除外した。測定項目は5m歩行、握力、膝伸展筋力、ファンクショナルリーチ(以下FR)、片脚立位時間、Timed up & Go test(以下TUG)、Life-space Assessment(以下LSA)、Ten Step Test(以下TST)とした。LSAは居室から町外まで生活空間を5分割し、その範囲での活動の有無と頻度、および自立度から生活空間のひろがりを評価する指標である。対象者に各項目の聴取を行い点数化した。TSTは立位で10cm高の台上に一側足部を交互に上げ下ろしし、連続10回の所要時間を測定するものである。今回は安全性を考慮し、平行棒内(把持なし)で3回計測を行い最も時間の短い値を採用した。統計処理として、LSAを従属変数、その他の項目を独立変数として重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。統計ソフトはR 2.15.1を用いて有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 すべての対象者に本研究の目的と評価内容を口頭にて説明し、同意とデータ使用許可を得た。【結果】 測定結果は5m歩行3.77±0.66秒、握力22.03±6.54kg、膝伸展筋力21.09±7.71kg、FR28.48±5.72cm、片脚立位時間16.69±18.63秒、TUG8.43±1.66秒、LSA57.53±14.54点、TST9.66±1.71秒であった。LSAと有意に関連していた項目はTST(β=-0.400,p<0.01)のみであった。【考察】 TSTは、宮本らにより開発された特別な機器を必要としない簡便な検査である。TSTの動作課題には、動作速度、運動反応時間、運動の切り換えなど敏捷性を反映する幾つかの運動が内包されており、敏捷性機能を反映しているとされる。これまでは介護予防対象者に対して、筋力やバランス能力が重要となることが言われているが、敏捷性に関してはあまり注目されていなかった印象を受ける。しかし、実際の日常生活場面では、バスのステップを素早く乗り降りできるか、人や自転車にぶつからないように避けられるかなど様々な場面に直面する。これらに対応する能力が低下すれば、外出が出来ないか、もしくは外出を控えるということにつながり、生活空間が狭小化することが予想される。今回の結果ではTSTがLSAと関連があった。このことは、生活空間のひろがりには筋力やバランス能力だけでなく、敏捷性も重要であると言える。ただし、今回の研究では測定の困難な脳卒中、疼痛の強い整形疾患を有している場合、易疲労性の強い者などを除外していることを考慮しなければならない。【理学療法学研究としての意義】 本研究では、要支援1、2認定者の生活空間にかかわる身体的要因として敏捷性が深く関連していることが示唆された。また、敏捷性に注目したトレーニングを行うことにより、高齢者の生活空間が維持・拡大され、効果的な介護予防につながると考えられる。
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© 2013 日本理学療法士協会
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