理学療法学Supplement
Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P2-C-0455
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免荷式リフトPOPO LIV-100を用いた脳卒中急性期リハビリの検討
徳田 和宏橋本 亮太山下 靖代行光 未希海瀬 一也小山 隆西野 鏡雄藤田 敏晃種子田 護
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抄録

【目的】脳卒中急性期には早期立位が勧められている。しかし,急性期ではチューブやライン類も多くさらに重症例となればリスクも大きい。そのような中,当院では平成25年4月より免荷式リフトを用いた早期立位を開始し本大会プレコングレスミーティングにて報告した。その後も免荷式リフトを用いた取り組みが継続でき身体機能やADLに及ぼす影響を調査したため報告する。【方法】対象は平成25年4月~平成26年10月当院へ搬送された脳卒中患者57名(男性33名,女性24名)。年齢73±12.8歳,身長161±9.7cm,体重59.3±15.5kg。端坐位20分実施可能となれば免荷式リフトでの立位を開始した。立位開始日数の中央値[四分位]は9.0[6-14]日であった。免荷式リフトでの持続立位(5分×3)を2週間実施し介入前後でNIHSS,SIAS,TCT,FIMを評価しWilcoxon符号付順位和検定を用い統計処理を行った。【結果と考察】病型は脳梗塞29例,脳出血25例,SAH3例。リハビリ開始時の重度麻痺例は40例(70%)。以下に介入前後の結果を中央値[四分位]にて示す。NIHSS 10[8-13]8[5-11],SIAS 31[26-40]38[31-49],TCT 0[0-18]24[0-49],FIM 28[20-41]37[24-53]。梗塞再発が3例あったが全症例,全項目に有意な改善(P<0.01)が認められ31例(54%)が回復期リハへ転院となった。脳卒中急性期における新たな取り組みとして免荷式リフトを用いた早期立位を実施してきた。これまでの症例で有害事象例は一例もなく,重症例や高齢者さらに体格の大きい症例など早期立位が困難な症例に対しても安全に実施することが可能であった。さらに免荷式リフトによる立位は立ち上がりが他動的になり体重免荷されるが全症例において身体機能とADLの改善が認められた。以上のように脳卒中急性期リハビリにおいて免荷式リフトを用いた早期立位は二次障害予防や機能改善に有用であると示唆される。

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© 2015 日本理学療法士協会
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