主催: 日本理学療法士協会
会議名: 第53回日本理学療法学術大会 抄録集
開催日: 2018/07/16 - 2018/12/23
【はじめに,目的】
我々は生徒の健康管理や競技力向上を目的に市立の高等学校に週3回訪問し,選手の身体機能面の相談,コンディショニング指導を実施している。本報告では,高校部活動選手における身体コンディションの実態および時期特性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
理学療法士が学校に訪問し,相談ブースを学内に設け,週3回各3.5時間生徒からの相談に対応した。その内,疼痛などの問題を有した場合にそのコンディション状況(4段階)および発生時期を記録した。2015~17年度を分析対象とし,コンディション状況および各月ごとの発生件数を検討した。
【倫理的配慮】
横浜市教育委員会および対象校の指導の元,ヘルシンキ宣言に基づき実施した。
【結果】
3年間で1014件に対応した。発生時期は4月が137件(13%)と最も多く,次いで5月が107件(11%),8月が105件(10%)であった。コンディション状況は「運動に支障なし」および「レベルを落とさないと運動ができない」が82.9%であった。「運動ができない」「日常生活も支障ある」は7.9%であり,6月に最も多く発生した。
【考察】
高校部活動選手は疼痛を有しながらも競技を継続している選手が多くみられた。学校を訪問しての相談実施や指導により,外傷・障害の早期発見や,時期に応じたコンディショニングが可能になると考えられる。