理学療法学Supplement
Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P-068
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ポスター発表
福井県高浜町地域包括支援センターに勤務する理学療法士の活動報告
松本 悠作
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抄録

【はじめに】

 高浜町は福井県の最西端に位置し、人口約1万人で高齢化率31%の山と海に囲まれた自然豊かな町である。高浜町地域包括支援センターに2018年4月より勤務し、地域包括ケアをはじめ、一般介護予防事業やサロン事業、地域医療推進事業などにも携わる。行政理学療法士は2018年3月現在、協会会員全体の0.3%しかおらず、人口規模や地域特性で活動範囲が異なるため、働き方も含めて活動指針となる情報は極めて少ない。行政リハビリ専門職の役割は活動概念図(出典:平成22年度行政の理学療法士、作業療法士が効果的に事業展開する研究報告書)を用いて、「個人支援」は相談や指導による直接アプローチと地域ケア会議などで多職種と情報共有する間接的アプローチ、「地域支援」は地域団体を対象に介護予防教室を開催したり講演を行う直接アプローチと住民活動を支援する間接アプローチ、それに「計画策定・事業管理」の5つに整理されているが、一行政理学療法士の働き方をに関して活動概念図を用いて示すような報告は私の調べる限り見当たらない。

【目的】

 高浜町地域包括支援センターの理学療法士が携わる活動内容を「活動概念図」を用いて区分し、個人及び地域に対する役割や立ち位置を明確に報告する。

【方法】

 行政リハビリ専門職の活動概念図を用いて活動及び事業内容を①個別支援・直接的アプローチ、②個別支援・間接的アプローチ、③地域支援・直接的アプローチ、④地域支援・間接的アプローチ、⑤計画策定・事業管理に区分する。

【結果】

 ①介護サービス検討者に対する生活機能評価(身体機能評価、ADL評価、予後予測)、介護予防プログラム指導(自主練習、自主ケア)、補助具の提案、住宅改修アドバイス②個別ケア会議での意見交換、介護家族の会での介助技術指導、併設診療所の物理療法に関するアドバイス③地域サロンでの健康相談、役場広報誌で介護予防関連情報の発信、たかはま地域医療サポーターの会ミニ健康講座④RUN伴(認知症啓蒙)参加、地域診断クイズ大会運営・情報提供、けっこう健康!高浜わいわいカフェ(地域交流)活動支援、医療サポーターの会活動支援、赤ふん坊や体操(ご当地体操)インストラクターの養成、たかはまコミュニティケア活動⑤地域包括ケア、一般介護予防事業、サロン事業、介護家族支援事業、医療介護連携、地域医療推進事業に区分した。

【結論】

 高浜町地域包括支援センターの理学療法士が携わる活動内容を活動概念図を用いることで、個人支援から団体活動支援、地域づくりまで多種多様なフィールドにおける役割及び立ち位置を明確に報告できたのではないかと考える。今後、職能啓発を目的とした情報発信に活かしていきたい。

【倫理的配慮,説明と同意】

 本演題発表に関連して開示すべき利益相反関係にある企業等はありません。

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© 2019 日本理学療法士協会
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