主催: 日本理学療法士協会
2019年4月に開催された厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会で理学療法士は2040年には1.6倍の供給過多に達する推計報告がされた。しかし,いまだに養成校は開校され,年間1万人以上の有資格者を輩出するまでになった。2020年の4月の雇用状況を振り返れば,就労できなかった卒業生の情報は確認されていない。しかし,確実に供給過多に向けて年々カウントダウンしている状況は変化していない。この現状に,新型コロナ感染による医療・介護経営の危機による環境の変化は,背中を新型コロナ感染に押された格好となり,2021年度以降の雇用状況を激変させると推測する。この状況で「管理者に何が求められるのか」と聞かれれば,変化に対応できる管理者と答える。就労施設に世の中の変化を分析し適切に貢献しているのか,例えば収入減に対して増収策の提案や新規事業も含めた対応策の提案が行えるか。同時に部下の混乱を回避できる判断力や掌握力は重要である。新型コロナ感染拡大に伴う危機感を共有し,結果が出せる管理者は頼もしく映る。逆に貢献しない管理者は無用となり供給過多も加わり,管理者の淘汰の時代に突入したと感じている。管理は学問だけでは実践できない,経験で積み上げる実践力が重要である。知識と知恵(経験値の差)が両立して難局は乗り越えられる。経験者しか蓄積できない実践ロジックがある。演者は日本理学療法士協会職能課を中心に実践ロジックを高める目的で管理者ネットワークの構築を推進してきた。参加してよかったとの意見をお聞きしたが,この難局で結果はどうだったか?これからは,理学療法士の誰も経験したことのない理学療法士超過剰時代に突入する。臨床や職場管理や養成校教育どの世界でも評論家ではなく,結果が出せる人材が求められると考える。