主催: 日本理学療法士協会
Key performance indicator(KPI)は日本語では「重要業績評価指標」と定義され,組織の目標を達成するために重要な業績評価の指標であり,KPIを定めることで,目標が明確になり,現状の業績把握ができると考えられている。そしてKPIは,Key goal indicator(KGI),つまり「重要目標達成指標」を達成する上で重要な中間指標,目標である。したがって,KPIはKGIを達成するための要素を分解してその中で重要な定量的指標を適切・適量に設定し,モニタリングすることが重要となる。
本シンポジウムのテーマである「2025年に向けた理学療法の展望─生涯学習のkey performance indicator─」の本題である。2025年,すなわち地域包括ケアシステム構築の達成年に向けた理学療法には大きな自己変革が求められる。今日の新型コロナウイルス感染症の拡大・まん延による社会情勢を省察すると,2025年あるいは2040年モデルが急速に進むようにも感じる。理学療法が社会保障の中で大きな役割を果たす存在となるためには,理学療法の世界標準化と社会的価値の創造を目指す展望が一層重要である。あえて言えば,この展望を達成するためには,現行の理学療法士及び作業療法士法の改正がKGIと考える。とりわけ法律が制定された1966年から50数余年が過ぎた今日の理学療法の「対象者と業務」は拡大しており,現状に即した法文に変更することは理学療法の核と考える。その展望およびKGIを達成するための生涯学習のKPIは,「前期・後期研修履修修了率100%」「D1プログラム履修率80%」「登録理学療法士更新率100%」「認定理学療法士取得率5%」「専門理学療法士取得率1%」の5つを前述のKGIとともに当日,私見を提案する。