抄録
地域が抱える課題に対し、経営支援・起業支援策を通じた地域活性化を目指す試みは多い。本論は、人口減少・過疎化が進む奥能登地域で、株式会社御祓川が企画・運営した、地域活性化を上位目標と置いた、経営・起業家支援事例を取り上げ、 内容、プロセス、特徴及び成果を詳細に紹介した上で、設定したアウトカムを達成できた主要因が、暗黙知の交換や外部ネットワークと連結されたコミュニティ形成である点を示した。その上で、有効なコミュニティ形成のためには、多様なメンバーが結集し参加者同士が交流する、異質な知識や経験を統合されるような有効なプラットフォーム機能が重要であると考察した。