抄録
本研究では、地域と協働した2つの授業科目の設計・実施プロセスに注目し、大学教員の立場からPBL における「プロジェクト設計と計画」「実施管理」の課題改善に向けた方策を検討した。授業設計・実施の記述や学生の学習記録等を用いた質的分析によって、授業設計から実践の段階ごとに教員に求められる役割が異なることが示された。特に、全体の時間管理の観点から、授業設計段階における目標やゴール(学生の学習成果)イメージを学外関係者と共有することの重要性が示唆された。最後に事例分析の限界を踏まえ、事例の蓄積や学外関係者の視点からの分析の必要性が議論された。