抄録
本研究は、専門職大学での臨地実務実習、特に初年次の科目に焦点を当て、汎用的能力とアントレプレナーシップの育成に貢献する教育方法とその効果を検証することを目的としている。実習の結果、学生は実習先の事業活動に参画し、自らが主体的に学ぶことで社会人基礎力やアントレプレナーシップが向上したことが示された。
臨地実務実習の教育手法については、学生・企業等・教員(大学)を3極とする動的な連携の中で学生の経験知につなげていくこと、具体的には教員は学生と企業等との不断の対話を重ねていくことが必要となる。臨地実務実習は、専門職大学が地域産業社会との連携を深め、高等職業教育の質を高める基盤となる可能性がある。