抄録
本研究では、和歌山県におけるワーケーション事業の変遷に注目し、その動態を定性的に把握する。具体的には、和歌山県内の自治体に対してインタビュー調査を行い、特に各市町村がどのようにしてワーケーションの受け入れ拠点を多様化させ、地域全体に波及させてきたのかを明らかにする。研究の結果、和歌山県では段階的な導入、波及範囲と波及速度、地域の特性、地域間の協力と差別化戦略、企業と地域のマッチング、地域住民と自治体の協働、政策の柔軟性と地域振興が相まって、ワーケーション事業の受け入れが地域全体に広がりを見せていることが明らかになった。