抄録
近年、地域活性化の方法として地域ブランドが注目されている。しかしながら、地域ブランドは、多様な主体によって形成されるにもかかわらず、住民についての検討は希薄である。そこで本研究では、プレイス・ブランディングの視点から小樽市の事例を分析し、住民の地域に対するエンゲージメントの創出要因を抽出した。その結果、地域固有の歴史や文化、まちづくり活動への参加経験、多角的視点での価値共創、行政のサポートが重要であるとの結論を得た。また、地域に対するエンゲージメントによって、リーダーシップ行動や組織市民行動などの行動変容および地域に対する肯定的感情などの心理変化が引き起こされることが示唆された。