抄録
Treacher Collins症候群とPierre Robin症候群を合併し,発声・嚥下のハビリテーション,口蓋裂の治療を目的に当科を来院した初診時年齢0歳2か月の女児を経験した。患児は出生後気管切開術が施行され,主として経鼻経管栄養により栄養摂取が行われていた。われわれはその状況に対して,独自に考案したチューブとシリンジを付与した患児のおしゃぶりを用いて哺乳障害に対するハビリテーションを行った。この装置はシリンジを付与していることにより,哺乳量を正確に把握することができる。さらに患児のおしゃぶりであることから脱感作を容易に行うことが可能であり比較的早期に経口摂取機能を獲得するまでに至ったことから,非常に有用な装置であることが示唆された。