日本口蓋裂学会雑誌
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原著
二段階口蓋形成手術を施行した唇顎口蓋裂症例の言語成績
―4歳時および5歳時の評価―
曾我部 いづみ三古谷 忠澁川 統代子今井 智子石川 愛松沢 祐介伊藤 裕美松岡 真琴山本 栄治金子 知生道田 智宏鄭 漢忠
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2014 年 39 巻 1 号 p. 7-16

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抄録
【目的】北海道大学病院高次口腔医療センターではHotz床併用二段階口蓋形成手術を行ってきたが,2003年11月より初回手術に修正を加えFurlow法による軟口蓋閉鎖とともに硬口蓋後方1/2までを閉鎖する術式とした。その言語成績を検討した。
【対象と方法】二段階口蓋形成手術法の初回手術を施行した片側ならびに両側唇顎口蓋裂の連続症例39例である。術後,硬口蓋未閉鎖部に閉鎖床を装用したものは39例中18例(46.2%)であった。4歳時と5歳時において,鼻咽腔閉鎖機能を良好,ほぼ良好,不良の3段階に評価し,また,構音障害の有無と発現頻度について評価した。
【結果と考察】鼻咽腔閉鎖機能獲得率は良好とほぼ良好合わせて4歳時で87.2%,5歳時で89.7%であった。異常構音の発現頻度は4歳時で59.0%,5歳時で56.4%であった。異常構音の内訳では,4歳時で口蓋化構音50.0%,声門破裂音35.7%,鼻咽腔構音7.1%,側音化構音3.6%,咽(喉)頭摩擦音3.6%であった。5歳時で口蓋化構音48.0%,声門破裂音32.0%,側音化構音16.0%,咽(喉)頭摩擦音4.0%であった。国内他施設における二段階法と比較して術後の鼻咽腔閉鎖機能は良好で異常構音の発現頻度も低かった。これは初回手術時に硬口蓋の1/2までを閉鎖したことにより,前方未閉鎖部の鼻口腔交通部が狭小化した症例が多くなったためと推測された。
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© 2014 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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