抄録
1975年から2014年までの40年間に東京歯科大学千葉病院矯正歯科に来院した唇顎口蓋裂患者のうち,口蓋裂単独患者112人を対象に動向調査を行い,以下の結果を得た。
1.年代別患者数は1980年〜1994年で患者数は増加傾向にあった。その後は一定の増減を認めなかった。口蓋裂単独患者の男女比は1:1.24であった。
2.初診時年齢は8歳が18.8%と最も多く,7歳から10歳までの患者が55.4%と過半数を占めていた。
3.永久歯の先天性欠如歯の保有者は38.4%であった。先天性欠如歯の歯種は上顎側切歯(37.7%),上顎第二小臼歯(34.8%),下顎第二小臼歯(15.9%)の順に多かった。先天性欠如歯の内訳は上顎で73.9%,下顎で26.1%認められた。
4.初診時の側面頭部エックス線規格写真による形態的評価の結果,上顎の劣成長,下顎中切歯の舌側傾斜を認めた。上下中切歯歯軸傾斜角は基準値に対して有意に大きかった。前歯部オーバージェットがプラスであるものは67.5%,マイナスが32.5%であった。
5.選択された装置は床型拡大装置(33.8%)やクワドヘリックス(31.3%)が高頻度であった。抜歯に関してはPhaseⅡで抜歯をした患者は19人(38.0%)であった。PhaseⅠから治療を行っている患者28人のうちPhaseⅡで抜歯したのは9人(32.1%)であった。PhaseⅠは行わず,PhaseⅡから開始した患者22人のうち抜歯したのは10人(45.5%)であった。