抄録
我々は, 口唇, 口蓋裂を自然発生するマウス系統としてCL/Fr系マウスを維持し, 奇形発現に及ぼす遺伝要因, 胎生環境要因を検索しているが, 本編ではCL/Fr系マウスの当研究室での自然発現率について報告した.
実験に使用した母獣は, 交配翌日に膣栓を碓認しその日を妊娠0日と規定し, CL/Fr系マウスでは胎生15日頃に二次口蓋が閉鎖するため, 胎生18日に母獣を脊椎脱臼して屠殺し, 帝王切開によって胎仔を取り出し観察した.
その結果, 実験に用いた母獣22頭の平均着床数は7.68頭, うち生存胎仔は平均7.23頭で, 口唇, 口蓋裂は25.8%に認められた.
裂型分類では, 口唇裂13頭, 31.7%, 口唇・口蓋裂27頭65.9%, 口蓋裂1頭, 2.4%であった.