日本口蓋裂学会雑誌
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顎裂部への新鮮自家腸骨ブロック片移植を施行した2症例について
幸地 省子越後 成志普天間 朝義猪狩 俊郎手島 貞一糠塚 重徳
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1988 年 13 巻 2 号 p. 262-270

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抄録
顎裂部へ皮質骨,海綿骨を含む新鮮自家腸骨ブロック片を移植した口唇口蓋裂2症例の移植骨の変化を咬合X線写真,歯科用口腔内X線写真を用いて観察した.移植骨の吸収量が多く,形成された骨架橋は細かった.また,骨架橋形成時期が海綿骨細片移植と比較して非常に遅かった.これらの観察結果から,顎裂部への骨移植では,移植骨の機能として力学的支持性を求める場合でも,骨架橋形成が確実で早い新鮮自家腸骨海綿骨細片移植を適応した方が予後が良いことが示唆された.
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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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