日本口蓋裂学会雑誌
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顎裂部骨架橋へインプラントを行った1症例
飯野 光喜佐藤 淳一濱田 良樹川口 浩司松浦 正朗瀬戸 皖一甲斐 哲也戒田 清和
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1996 年 21 巻 1 号 p. 49-54

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抄録
今同,口唇裂,口蓋裂患者の顎裂に対する二次的骨移植術は広く行われつつある.本論文では顎裂への骨移植術と同部へデンタルインプラントの応用を行った症例の概要を報告する.
症例は,19歳女性,右側口唇口蓋裂で,当科初診時には右側中,側切歯部に鼻口腔痩および歯槽骨の欠損が認められた.
この症例に対し,鼻口腔痩の閉鎖と歯槽堤形成の目的で,顎裂部へ腸骨海綿骨細片移植を行った.術後経過は良好で,骨移植術5カ月後に,移植骨部へ,直径3.75mm,長さ13mmのブローネマルクインプラントのセルフタップタイプフィクスチャーの埋入を行い,さらに埋入後4カ月で上部構造の装着を行った.
本症例においては,顎裂部への骨移植術と同部へデンタルインプラントを使用することにより,鼻口腔痩が閉鎖できただけではなく,従来からの架橋義歯や部分床義歯を用いることなく咬合形成が可能となった.このことは,本法が顎裂を有する成人症例の咬合形成のための有効な手段であることを示すものと考えられた.
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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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