日本口蓋裂学会雑誌
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口蓋裂形成手術後の言語遠隔成績
-4~5歳時と7~11歳時の言語成績-
糟谷 政代澤木 佳弘水谷 英樹上田 実
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1998 年 23 巻 4 号 p. 300-305

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抄録

1982~1986年に名古屋大学医学部付属病院口腔外科で,1歳代に初回口蓋形成手術を施行した88症例の構音・鼻咽腔閉鎖機能・痩孔について,4~5歳時と7~11歳時で検査し,その変化を検討した。その結果:1)4~5歳時に正常構音を習得していたものは全体の68.2%であったが,7~11歳時には80.7%と良好であった。2)両検査時に正常構音を習得していたグループは,痩孔がなく,あるいは口蓋閉鎖床などで疲孔への対応がなされており,良好な鼻咽腔閉鎖機能が獲得されていた。3)検査時年齢により異常構音の原因と発現率は異なっていた。4)従来からの報告と同様鼻咽腔閉鎖機能と痩孔は構音にかなり関与する要因であることを再確認した。

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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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