日本口蓋裂学会雑誌
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口蓋裂術後構音障害症例の構音訓練における発声発語訓練システムの有効性について
山下 夕香里鈴木 規子今井 智子森 紀美江高橋 浩二道 健一
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1999 年 24 巻 1 号 p. 52-60

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抄録
口蓋裂術後構音障害症例の構音訓練における発声発語システム(Speech Training System ,以下STS)の有効性を明らかにするために,口蓋裂術後症例4例についてほぼ同じ手順で訓練を行い,同一基準に基づいて訓練経過を評価した.
方法:STSは多機能型発声発語訓練装置(Multi-Function Speech Training Aid,以下MFSTA)の改良型で,パラメータはMFSTAとほぼ同様であり,訓練方法および訓練経過の評価法は視覚的構音訓練法に従った.
結果;Electropalatography,摩擦性表示,破裂性表示,呼気流表示,声帯振動表示は,摩擦音,破裂音,破擦音の訓練に有用であり,視覚的フィードバックを用いない訓練法と比較して訓練期間が短縮した.以上の結果から,STSは口蓋裂術後症例の構音障害の治療において,有効であることが示唆された.
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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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