日本口蓋裂学会雑誌
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片側性唇顎裂児の口唇形成術前における歯槽弓形態の三次元的特徴について
布留川 創石井 紀子大山 紀美栄黒田 敬之榎本 昭二
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2001 年 26 巻 1 号 p. 88-96

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抄録

著者らは,タイ国チュラロンコン大学との共同研究に基づき,片側性唇顎口蓋裂児の口唇形成術前後における歯槽弓形態の三次元的変化について報告し,術前のactive plate使用の効果について言及した(日口蓋誌 24:299-312,1999).今回は,術前にplateを用いていない片側性唇顎裂児の上顎歯槽弓石膏模型を資料として,plateによる歯槽弓への影響を除外して,両群の歯槽弓三次元形態を比較検討した.前回の報告に用いたと同様な手法により検討したところ,以下の結果を得た.即ち本学群の歯槽弓基底部における幅径(W)はタイ群より有意に小さかったが,長径(L)やその比(L/W)には両群間の有意差は見られなかった.また,等幅切断線による観察からも両群問の差異は小さかった.

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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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