アートを高次脳機能および精神科医療から眺めてみた。特に精神科外来におけるアートとその評価について考えてみた。高次脳機能からは左右の脳機能とアートとの関係,精神科医療からはアートと関係する外来通院患者について,さらにはバウムテスト,レビー小体型認知症や発達性相貌失認における視覚認知障害,認知症の人の作品の評価についても触れた。また,認知症における行動観察方式AOS(Action Observation Sheet)も紹介した。敦賀温泉病院における筆者の精神科外来では,様々な形でアートが活躍してきた。外来でアートを続けている皆さんはより健康な状態(サルトジェネシス)の観点からみると,ウェルビーイング(心理的,社会的幸福感)が向上しているように思えた。