臨床美術ジャーナル
Online ISSN : 2758-3457
Print ISSN : 2187-316X
特集「臨床美術の評価を考える -エビデンスとナラティブの視座から-」
認知症に対するアートセラピーとエビデンス
川久保 悦子
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2023 年 12 巻 1 号 p. 25-33

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抄録

本稿では,認知症のアートセラピーの発展に向けて,認知症のアートセラピーとエビデンスを報告する。まず,認知症のアートセラピーのメカニズムを述べた。次に認知症のアートセラピーのコクラン・ライブラリーの結果を述べた。メカニズムからアートセラピーの基本となるものは,パーソン・センタード・ケアとウェルビーングの向上であった。コクランによる認知症のアートセラピーのエビデンスの質は「非常に低い」であった。認知症のアートセラピーでは,無作為化比較試験(RCT)は方法論的に限界がありエビデンスの検証が困難であるため,観察研究やナラティブなアプローチの視点に変えることで,エビデンスを補強できる。

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© 2023 臨床美術学会
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