臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X
症例報告
側頭部有痛性索状腫瘤を呈し側頭動脈炎との鑑別を要した孤発性神経線維腫の1例
稲盛 真人土井 光立石 貴久松岡 健岩城 徹吉良 潤一
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 49 巻 1 号 p. 27-31

詳細
抄録

症例は59歳の女性である.数年にわたる右側頭部痛のため当科を受診した.右側頭部に分枝状の圧痛をともなう索状腫瘤を触知し側頭動脈炎をうたがった.しかし,頭部MRIでは右側頭部皮下に多発性の結節を,超音波では低エコー域をともなう血流のない分枝状,索状腫瘤をみとめた.最終的に,腫瘤生検にて右耳介側頭神経に発症した孤発性神経線維腫と診断した.腫瘍は経過観察とし,疼痛は薬物療法にて著明に改善した.頭蓋外皮下組織に孤発性に発生した神経線維腫はまれであり,側頭動脈炎との鑑別や,三叉神経痛様の疼痛の原因として考慮する必要がある.

著者関連情報
© 2009 日本神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top