臨床神経学
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短報
自然軽快する大脳,小脳病変をみとめ初回脳生検から2年後の再検で診断された中枢神経系悪性リンパ腫の1例
鈴木 万幾子内山 剛高橋 均伊藤 充子清水 貴子小林 寛大橋 寿彦
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2009 年 49 巻 9 号 p. 586-589

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抄録

症例は57歳男性.全般性痙攣で発症し,左前頭葉に病変をみとめ,脳生検では反応性astrocyteの増生と血管周囲性のT細胞優位のリンパ球浸潤がめだった.病変は自然消退し,18カ月後に左小脳脚の病変を再発したが,ふたたび自然消退した.初発から2年後に脳梁に再発し,当初は多発性硬化症をうたがったが,ぶどう膜炎を合併,ステロイド抵抗性であり,再生検でびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断した.自然軽快する症候性病変をくりかえした中枢神経系悪性リンパ腫の1例について,2回の脳生検病理と臨床経過を報告した.

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© 2009 日本神経学会
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