臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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症例報告
特異的画像所見を示しIgG avidity indexとnested PCRにて診断したトキソプラズマ脳症の1例
堀内 一宏矢部 一郎田島 康敬近藤 健滝沢 慶彦山田 秀人佐々木 秀直
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2010 年 50 巻 4 号 p. 252-256

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抄録

症例は60歳女性である.関節リウマチにて,プレドニゾロン,メトトレキサート内服中に,ガングリオン手術時に右房腫瘤性病変,甲状腺機能低下症をみとめ,MRIにて両側淡蒼球,右視床,左小脳にGd造影効果のないT1WI,T2WI高信号病変をみとめた.右房腫瘤は悪性リンパ腫と診断したが,脳病変は血清,髄液共トキソプラズマ抗体高値であり,類似既報画像があり,IgG avidity index高値,髄液nested PCRにてトキソプラズマゲノムを検出したためトキソプラズマ脳症と診断した.トキソプラズマ脳症の診断にMRI所見,血清および髄液抗体価,IgG avidity index,髄液nested PCRが有用である.

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© 2010 日本神経学会
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