臨床神経学
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症例報告
難治性吃逆・嘔吐で発症し,意識障害,呼吸障害,眼球運動障害を呈し,広範な脳幹病変をみとめた抗アクアポリン4抗体関連疾患の1例
甲斐 太田島 誠一郎荒田 仁林 茂昭長堂 竜維丸山 芳一
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2011 年 51 巻 4 号 p. 255-260

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抄録

難治性吃逆・嘔気で発症し,意識障害,呼吸障害,眼球運動障害を呈し,広範な脳幹病変をみとめた抗アクアポリン4(AQP4)抗体陽性例を経験した.症例は45歳女性で,約1カ月間,悪心・嘔吐が持続した後,意識,呼吸状態の悪化をきたした.髄液検査は異常なく,頭部MRIでは延髄被蓋部に病変をみとめた.ステロイドパルス療法により,翌日より意識レベルは軽快するも,呼吸状態は悪化し,広範な脳幹病変をみとめた.プレドニゾロン(PSL)静注,免疫グロブリン静注療法(IVIg)にて徐々に症状の改善をみとめた.ほぼ治癒したが,約10カ月後に3椎体以上の頸髄炎で再発し,ふたたびステロイドパルス療法,PSL内服,IVIgにて軽快した.

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© 2011 日本神経学会
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