抄録
症例は軸索型ギラン・バレー症候群の37歳男性である.下痢に続いて激烈な疼痛が右大腿に生じ,腰部・両下肢に拡大した.表在感覚は正常であったが,遠位筋優位の四肢筋力低下が進行し,腱反射の消失,ラゼーグ徴候陽性を呈した.電気生理学的検査で下肢の複合運動活動電位の低下,F波消失,髄液検査で蛋白細胞解離,血清IgG抗GM1抗体の陽性をみとめた.腰部・下肢痛の性質は深部痛で神経根痛と考えられた.MRIではガドリニウム増強効果が前根だけにみられ,馬尾では右大腿痛に対応する右側の前根でより高度であり,神経根痛は前根痛と推測した.この神経根痛には免疫グロブリン大量静注療法も鎮痛薬も無効で,ステロイドパルス療法が著効した.