臨床神経学
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短報
ステロイド漸減中に眼窩先端症候群が再燃したMPO-ANCA陽性のIgG4関連肥厚性硬膜炎の1例
岩波 正興小川 知宏田中 喜展兵頭 明夫上田 善彦宮本 智之
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2014 年 54 巻 1 号 p. 52-55

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抄録

症例は75歳の男性である.難聴,嗄声が出現し,5ヵ月後に頭痛,食欲低下が出現した.炎症反応,血清IgG4高値,MPO-ANCA陽性で,頭部MRI造影T1強調像で造影されるび漫性硬膜肥厚をみとめた.硬膜生検組織では多数のIgG4陽性形質細胞が存在し,MPO-ANCA陽性のIgG4関連肥厚性硬膜炎と診断,初期治療は大量ステロイド療法にて臨床症状,血清学的・画像所見は改善した.しかしステロイド減量中に再燃し右眼窩先端症候群と漿液性網膜剝離を呈し免疫抑制薬を追加した.本例はステロイド単独療法による減量が困難で,免疫抑制薬の併用が必要であった.

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© 2014 日本神経学会
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