2014 年 54 巻 12 号 p. 978-980
中枢,末梢神経の両者に炎症性脱髄をきたす一群として,中枢末梢連合脱髄症(CCPD)がある.近年おこなわれた全国疫学調査ではオリゴクローナルバンド陽性率が低いなど,多発性硬化症とはことなる特徴が明らかとなった.CCPDの自己抗体検索において,一部のCCPDにおける標的部位がランビエ絞輪,傍絞輪部であり,本自己抗体が抗neurofascin抗体であることが判明した.CCPDではその他の炎症性脱髄性疾患よりも高い抗neurofascin抗体陽性率を示した.一部のCCPDでは中枢,末梢神経共通蛋白であるneurofascinを標的とする自己抗体が関与し,連合性脱髄をきたす可能性が示唆された.