Spinocerebellar ataxia type 31（SCA31）の臨床像，画像所見―Spinocerebellar ataxia type 6（SCA6）との小脳外症候の比較検討―

榊原 聡子; 饗場 郁子; 齋藤 由扶子; 犬飼 晃; 石川 欽也; 水澤 英洋

doi:10.5692/clinicalneurol.54.473

原著

Spinocerebellar ataxia type 31（SCA31）の臨床像，画像所見―Spinocerebellar ataxia type 6（SCA6）との小脳外症候の比較検討―

榊原聡子, 饗場郁子, 齋藤由扶子, 犬飼晃, 石川欽也, 水澤英洋

著者情報

キーワード: 脊髄小脳失調症（SCA）, spinocerebellar ataxia type 31（SCA31）, spinocerebellar ataxia type 6（SCA6）, MRI

ジャーナルフリー

2014 年 54 巻 6 号 p. 473-479

DOI https://doi.org/10.5692/clinicalneurol.54.473

詳細

抄録

近年原因遺伝子の判明したspinocerebellar ataxia type 31（SCA31）と，同様に純粋小脳失調型であるspinocerebellar ataxia type 6（SCA6）との共通点と相違点を明らかにするため両病型の臨床像とMRI所見について各6例を後方視的に比較検討した．小脳症候は両者に共通したが，小脳症候以外の神経症候はSCA31では難聴のみをみとめたのに対し，SCA6では錐体路症候，精神症状など多岐にわたりより高頻度であった．MRI画像の検討ではSCA31は罹病期間に沿って小脳虫部前葉を中心に萎縮が緩徐に進行するのに対し，SCA6では小脳虫部の萎縮に加え経過10年以下の比較的初期から第4脳室の拡大がめだった．これらの症候や画像所見の特徴は遺伝子診断以前の鑑別の手掛りとなる可能性がある．

責任著者(Corresponding author)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）