臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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症例報告
発症42年後にEmery-Dreifuss型筋ジストロフィーと診断され両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器(cardiac resynchronization therapy defibrillator; CRT-D)挿入となった1例
崎山 快夫渡邉 萌理大塚 美恵子平原 大志百村 伸一林 由起子
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2014 年 54 巻 6 号 p. 489-494

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抄録
症例は53歳男性である.11歳頃より鶏歩が出現.20歳代より心房細動・心肥大,48歳より徐脈性心房細動と非持続性心室頻拍をみとめたが無症状のため経過観察.53歳時に失神発作が初発.神経学的に肩甲・上腕・下腿部の筋萎縮,肩・肘・足関節の拘縮をみとめEmery-Dreifuss型筋ジストロフィー症(Emery-Dreifuss muscular dystrophy; EDMD)にともなう心伝導障害と診断.頻脈誘発試験にて心室頻拍と失神が誘発されたため,両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器を挿入した.遺伝子検査ではLMNA p.Arg377His変異をみとめEDMD2が確定した.神経学的診察と遺伝子検索が植え込み型心臓デバイスの選定と導入に有用だった.
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© 2014 日本神経学会
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