臨床神経学
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症例報告
神経学的症候出現時に関節症状を認めない抗cyclic citrullinated peptides抗体陽性のリウマチ性髄膜炎の1例
安部 鉄也三島 一彦内野 晃佐々木 惇棚橋 紀夫髙尾 昌樹
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2016 年 56 巻 9 号 p. 627-632

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抄録

症例は84歳女性.緩徐進行性の認知機能障害の経過中に失行が出現した.神経学的所見は認知機能障害,失行に加え左上下肢の筋力低下を認めた.頭部magnetic resonance imaging(MRI)で右側頭頭頂葉の髄膜のfluid attenuated inversion recovery(FLAIR),diffusion weighted Imaging(DWI)高信号を認め造影効果を有し,血液検査で抗cyclic citrullinated peptides(CCP)抗体が高値であった.脳生検ではくも膜下腔を中心とした炎症細胞浸潤を認めた.ステロイドで加療し臨床症候,検査所見ともに改善した.全経過を通じて関節症状は認めていない.本例は慢性髄膜炎の診断治療を考える上で貴重な症例である.発症時に関節症状のないリウマチ性髄膜炎の報告は稀で,本例では特に抗CCP抗体が高値であり,リウマチ性髄膜炎の発症機序を考える上でも稀有な症例である.

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© 2016 日本神経学会
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