臨床神経学
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短報
上位頸髄背側の小病変のみが出現した抗myelin oligodendrocyte glycoprotein抗体陽性の再発性脊髄炎の1例
松本 有史金子 仁彦高橋 利幸中島 一郎久永 欣哉永野 功
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2017 年 57 巻 11 号 p. 729-732

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抄録

症例は発症時65歳の男性.右肩・上腕の感覚障害が一過性に出現し,MRIにて頸髄C2/3右背側に1椎体程度の小病変を認めた.約1年3か月後に右頬・後頸部・後頭部に電撃痛が出現し,MRIにて頸髄C1右背側に後索と三叉神経脊髄路核に及ぶ卵円形の病変を認めた.視神経や中枢神経の他の部位には病変を認めなかった.血清の抗aquaporin 4抗体が陰性,抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体が陽性であった.ステロイドの投与で症状は改善した.視神経脊髄炎spectrum disordersの診断基準は満たさず,抗MOG抗体陽性の再発性脊髄炎として貴重な症例と考えた.

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© 2017 日本神経学会
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