臨床神経学
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短報
MRIにて両側対称性に大脳脚から内包に病変を認めた節外性NK/T細胞リンパ腫の1例
竹内 有子加賀 友継家田 美保小島 由美落合 淳馬淵 千之
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2017 年 57 巻 12 号 p. 778-781

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抄録

症例は72歳男性.亜急性に進行する意識障害で入院した.頭部MRI FLAIR画像では,両側視床,基底核から白質に広範な高信号域を認めた.右肺に認めた結節の生検から,節外性NK/T細胞リンパ腫(extranodal natural killer/T cell lymphoma; ENKL)と診断した.頭部MRIでは,結節を認めず,造影されないびまん性の白質病変を認めlymphomatosis cerebriと同様の病態と考えた.また,拡散強調画像では,左右対称性に両側大脳脚から内包にかけて高信号域を認め,軸索に沿った細胞密度の高い腫瘍細胞の浸潤が示唆された.中枢神経,肺のENKLは極めて希少であり,また特徴的な画像を呈していたため報告した.

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© 2017 日本神経学会
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