臨床神経学
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一過性の健忘症状を呈した成人発症神経核内封入体病の1例
竹下 潤小林 宏光下江 豊曽根 淳祖父江 元栗山 勝
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2017 年 57 巻 6 号 p. 303-306

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抄録

症例は65歳の男性.全経過約3時間の一過性の健忘が出現した.3年前にも同様の症状が出現した.認知症状は認めず.神経学的には,小脳失調や不随意運動は認めなかったが,神経伝導検査で末梢神経障害を認めた.MRI拡散強調像で,前頭葉から頭頂葉にかけて皮質下の皮髄境界域に高信号を認め,皮膚生検で神経核内封入体を多数認め,成人発症の神経核内封入体病と診断した.家系内には類症者はおらず,孤発例である.健忘は一過性全健忘と極めて類似し,辺縁系障害が推測された.

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© 2017 日本神経学会
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