臨床神経学
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プロテインC遺伝子変異が同定された再発性脳静脈血栓症の1例
菅原 夢穂小野 南月森下 英理子髙島 洋
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2018 年 58 巻 12 号 p. 764-766

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抄録

症例は31歳男性.7か月前に前医で脳静脈血栓症と診断された.右顔面,右手のしびれ,構音障害が出現し救急搬送された.頭部MRVで上矢状静脈洞・皮質静脈の描出不良が認められ,脳静脈血栓症の再発と診断した.血液検査でプロテインC抗原量65%,プロテインC活性40%と低下しており,遺伝子検査でプロテインC遺伝子エクソン9にc.811C>T,p.Arg271Trp変異が認められ,先天性プロテインC欠乏症が原因と考えられた.若年発症や既往歴・家族歴がある場合,誘因となる疾患や内服歴がない場合に発症した脳静脈血栓症では先天性血栓性素因を疑い,血液検査や遺伝子検査を行う必要がある.

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© 2018 日本神経学会
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