2021 年 61 巻 8 号 p. 517-521
急性期脳梗塞に対する迅速な再灌流療法を実現するためには適切な画像診断が必須である.再灌流療法のさらなる普及と均霑化のためには,脳卒中診療の専門施設のみならず非専門施設も含めたすべての医療従事者による脳梗塞の適切な画像診断を行うための医療環境の整備が重要な課題である.わが国の特徴として画像診断装置であるCTやMRIが多くの医療施設に備わっている.脳卒中診療を行っていない医療施設でも一定の確率で院内発症脳卒中への対応が必要となる.再灌流療法の有効性を示した臨床試験,主要な脳卒中のガイドライン,わが国の画像診断の現状から,適切な再灌流療法を行うための画像診断において推奨すべき事項をレビューする.