2025 年 65 巻 5 号 p. 331-337
疲労はパーキンソン病(Parkinson’s disease,以下PDと略記)に合併する頻度の高い非運動症状の一つである.今回PD患者における疲労と背景因子,疾患重症度,運動症状,非運動症状,認知・心理評価の関連について検討を行った.PD患者80名を対象とし,40%が疲労を有していた.疲労を有するPD患者は女性,ジスキネジア,レボドパ換算用量相当量と関連があり,各種評価においてうつ,アパシー,睡眠障害の重症度が高く,quality of lifeが低い結果であった.PD患者に伴う疲労は臨床上注意を払うべき症状であるが,複数のリスク因子に関連しており,個別性を考慮した介入研究が必要である.