臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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脳出血を契機に診断され,ANCA関連血管炎と鑑別を要したAggregatibacter segnisによる感染性心内膜炎の1例
蛭薙 智紀河西 宏満間 典雅後藤 洋二真野 和夫
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論文ID: cn-000689

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抄録
症例は56歳男性.1年前に抜歯歴あり.右上肢脱力を主訴に来院し,左前頭葉皮質下出血をみとめ入院した.入院時37.5°Cの発熱があり,貧血および高CRP血症をみとめ,PR3-ANCAが陽性であった.血液培養よりAggregatibacter segnisが検出され,僧帽弁前尖に疣贅をみとめたことから,感染性心内膜炎と診断した.セフトリアキソンの投与で臨床症状は軽快した.本例の脳出血の原因は感染性心内膜炎であり,PR3-ANCAは偽陽性であったと考えた.感染性心内膜炎ではANCA関連血管炎類似の臨床所見を呈することがあり,ANCA関連血管炎にともなう脳卒中をうたがったばあい,感染性心内膜炎を除外すべきである.
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© 2015 日本神経学会
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