論文ID: cn-001027
71歳男性.異常言動と全身性痙攣にて入院.高次脳機能障害を認めたが初回頭部MRIは異常がなかった.血中LDH・可溶性IL-2受容体高値より悪性リンパ腫を疑ったが,初回骨髄穿刺と皮膚生検では腫瘍細胞を認めなかった.10日後の頭部MRI磁化率強調画像(susceptibility-weighted image; SWI)で大脳皮質・皮質直下に異常低信号域が出現,ステロイドパルス療法を行うも無効であった.後に胸部単純CTで両肺にスリガラス影が出現,経気管支肺生検と骨髄穿刺再検にて血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B cell lymphoma; IVLBCL)と診断した.本疾患では脳梗塞様変化を呈することが多いが,本例ではむしろ大脳のSWI低信号域が主たる所見であり,中枢神経病変による出血性変化と推測された.